2025年1月31日、高市早苗首相が衆議院選挙の応援演説で行った発言が大きな波紋を呼んでいます。
「外為特会が今ホクホク状態」という発言は、為替市場を混乱させ、円相場の急落を招きました。
一国の首相による為替に関する発言が、なぜこれほどまでに問題視されているのでしょうか?
この記事では、高市首相の発言内容と市場への影響、そして専門家が指摘する問題点について詳しく解説していきます。
高市首相の外為特会「ほくほく」発言で市場混乱?

高市早苗首相は2025年1月31日、川崎市で行われた衆議院選挙の応援演説で、円安に関する発言を行いました。
「今円安だから悪いって言われるけれども、輸出産業にとっては大チャンス」と述べた上で、「円安でもっと助かってるのが、外為特会っていうのがあるんですが、これの運用、今ホクホク状態です」と発言しました。
この発言は即座に市場に影響を与えました。
2月2日の東京外国為替市場では、円相場が一時1ドル=155円台半ばまで大幅に下落しました。
市場関係者は高市首相の発言を「円安容認」と受け止め、円売りが加速したのです。
政府は慌てて火消しに動きました。
高市首相自身も2月1日にX(旧Twitter)で釈明投稿を行い、「円安メリットの強調ではない」「為替変動に強い経済を作る趣旨だった」と説明しました。
尾崎正直官房副長官も2月2日の記者会見で円安メリット強調を否定しましたが、市場の動揺は収まりませんでした。
高市首相が言及した外為特会とは?本来の目的と運用実態

高市首相が「ホクホク状態」と表現した外為特会とは、正式には「外国為替資金特別会計」と呼ばれる特別会計です。
本来の目的は、通貨当局が為替介入に使用する資金を管理することにあります。
外為特会は通貨危機などの有事に対応するための準備資産であり、いわば国家の「弾薬」として温存すべき原資なのです。
現在の円安局面では、外貨資産の円換算での含み益が膨張しています。
これが高市首相の言う「ホクホク状態」の正体です。
しかし、この含み益を恒久財源として使用することには大きな壁があります。
剰余金は既に一部が財源として活用されていますが、外為特会は本来、為替介入という明確な目的のために設けられた特別会計です。
目的外の利用は、将来の通貨防衛能力を損なう可能性があるため、専門家からは強い懸念の声が上がっています。
高市首相発言に専門家が警鐘!3つの重大な問題点を解説

みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト唐鎌大輔氏は、高市首相の発言について詳細な分析レポートを発表しました。
そこでは3つの重大な問題点が指摘されています。
第一の問題は、「円安になると国内投資が戻ってくる」という前時代的な発想です。
この認識は2013年以降のアベノミクスで既に失敗が立証されています。
実際には日本企業の対外直接投資ブームは円安と共にあり、為替だけで企業の行動変容は起きないことが明らかになっています。
第二の問題は、外為特会の理解不足です。
外為特会は「ドル売りのための原資」であり、重要なのはドル換算での保有額です。
円換算で含み益が大きくても、それは為替介入の能力とは直接関係ありません。
目的外利用は禁忌であり、通貨防衛のための有限な「弾薬」として温存すべきなのです。
第三の問題は、投機筋への情報提供リスクです。
首相として言及するなら「外貨準備は極めて潤沢」とだけ述べれば十分でした。
余計な情報を与えることで、投機的な円売りを誘発する可能性があると専門家は警告しています。
まとめ
高市首相の外為特会「ほくほく」発言は、為替市場に大きな混乱をもたらしました。
専門家からは、円安に対する認識の甘さ、外為特会の本質的な理解不足、そして市場への配慮の欠如という3つの問題点が指摘されています。
2月8日投開票の衆院選を控え、この発言は高市政権の経済政策に対する理解度を問う重要な試金石となっています。
円安が続く中での物価高への対応や、政権の経済政策に対する信頼性が今後の焦点となるでしょう。
有権者は選挙において、こうした経済政策への理解度も判断材料の一つとして考慮する必要がありそうです。

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